ゼネコン各社が入札した新築工事見積金額は一四億三〇〇〇万円(建築坪単価四一万円)から一六億七七〇〇万円(同四九万円)だった。このうち最低見積りを出した大手ゼネコンと、次いで低い見積りを出した準大手ゼネコンが最終審査にもつれ込んだ。再度見積りを出し合った結果は、準大手ゼネコンが坪三九万七〇〇〇円を出し、僅差で逆転勝利をおさめた。解体費や外構工事も含めて坪四〇万円を切るというのは、ちょっと信じられない金額だ。バブル期には坪一〇〇万円、二一〇万円というのがザラで、崩壊後もせいぜい六〇万円から七〇万円というのが相場だった。坪四〇万円を切ると木造一戸建てでも難しい。低価格を売り物にしている輸入住宅も顔負けの金額である。当のデベロッパーの企画担当者でさえ、「まさかこれほど安い価格の競争になるとは思わなかった。本当に建てられるんですかね」と、半信半疑の様子なのだ。それほど建設業界が逼迫していることの証左だが、そのツケはどこに回るのか。当然、目に見える部分のグレードを落とすわけにはいかないだろう。売れ残りを心配するデベロッパーが許すはずがないし、購入者も納得しない。そうなると、落とすのは目に見えないところ、しかもそれが即座に表面化しない部分である。先から繰り返し述べているように、コンクリートの質は多少悪くても、それを外見からうかがい知ることはできないし、表面化するまでに時間がかかる。しかもコンクリートは水を増やすだけで、セメントや砂、砂利も少なくて済み、そうすることでよく流れるので作業効率もスムーズになる。
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