日本で「住宅産業」なる言葉が定着するようになったのは、昭和四十年代に入ってからだとされています。戦後間もなく家電や自動車などがいち早く「産業」を形成したことからすると、住宅産業の立ち遅れか目立ちますが、それからの成長ぶりには目覚ましいものがありました。昭和四十三(一九六八)年には。年間の新築住宅着工戸数が一〇〇万戸の大台に乗り、一所帯当たりの住宅数が一・〇一と初めて住宅ストック数が総所帯数を上回りました。「一所帯一住宅」を実現したわけで、業界がもっぱらこの年を日本の「住宅産業の元年」としているのはそのためです。以降、日本経済は浮き沈みをたどりながらも上昇カーブを描き、住宅着工戸数も常に一〇〇万戸以上を維持してきました。昭和五十三(一九七八)年には住宅ストック数が所帯数を八%も上回り、「家余り現象」が目立つようになりましたが、二四年後の今や「空き家率(総空き家数÷総住宅ストック数)」は一五%で、一〇軒に一軒以上が空き家という状況です。こうなると住宅会社としては、これまでのように「拡大志向」で新築や建て替えに力を入れてもパイの奪い合いとなるばかりです。ましてや少子化・高齢化の時代に突入しており、住宅産業も隣造改革を迫られているのが現状です。これからの住宅市場では、中古住宅が主役になることは間違いありません。新築住宅が全く姿を消すことはないにしても、住む側も新築にのみ目を向けるのではなく、自分の生活の変化に合わせて、中古住宅のなかから「理想の家」を選んでいく傾向が増えていくはずです。
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