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「取引事例比較法」、「再調達原価法」とは

2011.10.07

収益還元法の考え方が日本でポピュラーとなったのは1990年代後半くらいのことですが、それまでは日本国内での不動産投資にあたっての主な判断の物差しは、「取引事例比較法」や「再調達原価法」といわれるものでした。これらの物差しは読んで字のごとく、周辺で実際に行なわれた取引事例などを参考に時価を算出したり、建物を現状の建築単価で再建築した場合の費用などを土地代に上乗せして算出する手法です。それに対して「収益還元法」は、実際にこの不動産から計上される収益に対する期待値から不動産の価格を割り戻そうとするものでした。このやり方は欧米では以前から比較的一般的な手法であったのですが、ビジネススクールに留学した日本のビジネスエリートたちなどが日本に持ち帰り、徐々に不動産取引でも使われるようになりました。今まではともすれば丼勘定での取引が主体であった不動産業界に大きな影響を与え、売却物件に対する精緻なレポート等の提出も含め、2000年代になると大手の会社では、実際の購入の検討に必ず使われるようになりました。こうして、個人の不動産投資にあたっても、この手法を使えば、損することなく物件が買える魔法の杖であるかのように喧伝されることになったのです。

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