最近、出入口に段差がないユニットバスがバリアフリー商品として普及してきていますが、これなどは、実際には、いかがなものかと思われる部分もあります。日本のように洗い場で体を洗う習慣のある国では、洗い場に相当量の排水がされますので、最低でも五センチ程度の段差は、水切りのためにあったほうがよいのです。段差なしの場合は、どんな工夫をしても水が外に伝わって流れ出ようとしますから、長期的に見れば住宅の耐久性に影響を与えてしまいます。水は段差があれば簡単にせき止められるのですから、機能まで失う形でのバリアフリーにこだわりすぎるのはどうかと思います。ほんとうに車椅子で出入りしなければならなくなれば、付き添いの人が洗い場で体を洗ってあげなければならないのですから、洗い場には十分なスペースと排水を考慮しておく必要があると思います。車椅子のときにはスノコを敷く覚悟で出入口だけは引き戸にしておく、そんな解決方法が現実的には一番効果的なのではないでしょうか。むしろ、老齢化に向けての配慮はバリアフリー以外に、手すりが必要になったときに取りつけやすい下地の配慮(石膏ボードに代えてコンパネを下地にしておく)や、ドアや廊下を車椅子などに必要な最低寸法を確保しておく、ドアより引き戸を選ぶとか、回遊性のある(二方向からアプローチできる前線で、介添えにも便利)プランニングをするとかの全体構想が大切でしょう。個々の設備の改善はあとでもできることで、最初から特殊な設備がついているとかえって使いにくいものです。もちろん平面計画上、歳をとると上下階への移動がないほど楽ですから、スペースが許せば平屋が最適です。しかし、すべてのフロアが平らである必要はなく、スキップフロアや居間の段差など雰囲気があってよいものです。
[参考]
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